有明高専在校生の皆さんへのメッセージ

 

【できない理由こそやる理由、そこにあなたの存在価値がある】

在校生の皆さん、機械工学科27期卒業の武下浩紹といいます。

現在、福岡県大川市で苺の生産／販売を行う「楽農ファームたけした」を経営しています。

2020年3月16日にこれまでの挑戦と挫折、成長の実例を一冊の本に纏めました。

ぜひ後輩の皆さんの人間力の向上に役立ててほしいという思いで紹介文を書きます。

 

私が属する業界は農業。

そこでのオンライン化はまだまだ少なく、

特に配送の難しい苺、しかも大玉の「あまおう」という品種は無理だと

大反対の中で平成18年からオンライン事業に取り組みました。

あれから14年、線路の枕木のように困難だらけでしたが、

起業時の売上1500万足らずだった事業が

2021年には一億円達成を見込んでいます。

私はコロナショックで売り上げを落とすどころか、

社会構造の変化をチャンスととらえ、

いち早く対応して売り上げを伸ばしています。

できる、できないはだれが決めるのか、

それは自分です。　

周りのやったことがない人たちは、

達成経験がないのだから、当然できない思考です。

だから出来ないという意見になります。　

ただそれは心配していってくれている思いやり、

根幹の心は受け取り感謝します。　

人はみな臆病です。

これは人類が生き延びる以上、必要な思考であり、

命を守るためには臆病は当たり前です。

だから見たことないもの、経験したことないことは

無理だというのが大多数です。　

ここが分岐点です。

私はできると思ったから起業しました。

周囲は気が狂ったとか、頭がおかしいと言いました。

身内ほど心配して、絶対にやめろ！と語気を強めました。　

しかし当時の武下家の現状の延長線上に

10年後の未来はよくなる要素が一つも見当たらなかった。　

今行っていることの延長線上に未来があります。

未来は今、この瞬間に作られています。

今、私たちが思っていること、行動していることの積み重ねが未来です。　

過去は終わったこと。　

過去の失敗に引きずられて今の行動にためらう人がいますが、

過去は関係ありません。未来のなりたい姿から逆算して今の行動を決める。

人は確かに過去の産物ではあるけれど、

今できることと過去の出来事は何も関係ないのです。　

感情だけの問題です。この感情をいかに行動で凌駕できるか。

感情で判断しないことです。私は感情で揺さぶられても、

未来の理想像からの逆算で今すべきことを細分化して一日の計画に落とし、

実行し続けてきました。　うまくいかないことだらけです。

しかし一週間を4勝3敗でいけばいいという楽観思考も持っています。

人はそんなに強くない。弱くていい。臆病でいいんです。　

だから愛する人と支えあえる。　

人はみんな違う。違って当たり前、みんながそれぞれ最善を尽くしている。

誰も間違っていないんです。みんなが正しさを押し付けあったら、戦争になる。　

私は批判という行動の表面を受け取るのではなく、

その人の最善の意見と思いやりであると受け取る努力をして、

感情で落ち込みがちな時も思考と行為で自分をコントロールしてきました。

心で泣いて顔で笑ってきました。そして自分の可能性を信じ続けた。

自信は自分を信じる力です。

会社に対する自信、商品に対する自信、職業に対する自信、自分に対する自信、

この4つの自信をいつもピカピカにして生きています。　

だから一億円の売り上げと地域のリーダー、業界変革者のポジションがとれました。

これからも国家貢献の志を拡張しながら、

一度の人生、二度ない人生を世界のステージを目指して邁進していきます。

思い返せば、在学中も高専祭やクラスマッチ、学生会、サッカー部と

いつも全力で仲間の力を借りながら走り回っていました。

母校、有明高専での自由な環境が今の私の自由な発想を育ててくれました。

母校を誇りに思います。在校生の皆さんの自由な発想が

いずれ日本社会のメインエンジンとなるリーダーがたくさん排出されることを願って、

この本をプレゼントします。　

できない理由がやる理由です。

やれば出来る。そして人は変われる。

ただ簡単には変わりません。

小さな成功を積み重ねて自信を育ててください。

今、自信を育てる時です。

皆さんの人生の成功を願っています。

あなたもできる。

楽農ファームたけした　代表　武下浩紹